Brahms ブラームス 交響曲第1番〔連弾〕解説付

ブラームスは、自作の交響曲や協奏曲、室内楽曲などを、4手連弾版や2台ピアノ版に編曲していた。それは自作の試奏のためだけではなかった。19世紀はピアノが一般家庭に普及し始めた時期であり、オーケストラ作品などがピアノ連弾へ編曲され、各家庭でも演奏され楽しまれていたころでもあった。こういった環境の中で連弾楽譜が広く普及していった。ブラームスの交響曲第1番も例にもれず、作曲家自身の編曲によって楽譜が刊行され、演奏されてきた。本書は初版を刊行したジムロック社版を底本に、自筆譜やオーケストラ・スコアなども参考に編集を行った。演奏する上での重要な点などについては、連弾演奏で有名なピアニストによる角野裕が、作品成立過程などの作品背景については、ブラームス研究家の天崎浩二が執筆。また角野による運指を掲載し、演奏の助けとなることだろう。演奏レベルは上級以上。